2019年2月の川越から、おはようございます。
池袋から電車で3~40分の川越は「 小江戸 」とも呼ばれ、蔵造りのまちなみが残る、散策にもってこいの人気観光地です。
上の画像に写る「 時の鐘 」は川越を紹介するポスターによく採用されています。明治になって再建されたものですが現役稼働中。1日に4回、時間を知らせる鐘が鳴りわたります。
こちらは溢れんばかりの重厚感がすごいことに。
明治26年築という建物からは老舗和菓子屋の風格も漂ってまいりますが、陶器のお店として現役営業中です。
そんな江戸の面影をそこかしこに感じる川越ですが、観覧車もあるのですってよ。
これは気になりますねえ。江戸っぽい観覧車とはどんな感じでしょう。ちょっとレトロな、もしかしたら木造観覧車かもしれません。ひょっとしたら忍者屋敷みたいな仕掛けがあったりするかも。これは想像をはるかに越えた観覧車が期待できますぞ・・・
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おっと!一気に小江戸とかどうでもいい雰囲気に様変わりしてしまいましたあ!
10分ちょっと駅寄りに歩いてきただけなのですが・・・。川越一番の目抜き通り・クレアモールという商店街です。江戸感皆無。マジびっくりしたわ。
目立てばOK的な看板が密集する中で、ひときわ高く鎮座する「 maruhiro 」の文字が頼もしい。そう。今日ご紹介する観覧車は、ここ丸広百貨店 川越店にあるそうで。
午前10時。開店時間を迎えた丸広百貨店には、大勢のお客さんが吸い込まれるように入っていきます。
一見どこにでもある百貨店のようだけれど、果たして観覧車なんてあるのでしょうか。半信半疑、屋上を目指してみるとします…!
【98】「丸広百貨店 川越店 わんぱくランド・かんらんしゃ わんぱくホイール」(埼玉県川越市)
◎ まだある!立派すぎる屋上観覧車
うわー!あるー!観覧車があるー!
江戸感は無いにせよ、かわいらしい雰囲気の観覧車が建っているー!
7階ペットショップの脇から屋上へ出てみると、今では数少ない存在になってしまった屋上遊園地が存在します。丸広百貨店ではさらに数少ない、全国たったの3か所しかない、屋上観覧車が現役稼働中というのです。すごい。
私( 1987年生まれ )の親世代になると屋上遊園地も、屋上観覧車も、とても馴染みあるものでしょうが、こういう場所で遊んだ経験が無い身としては、すごく新鮮。
百貨店は子供たちの憧れの場所だった。という話を耳にしてもイマイチ理解できなかったけれど、これなら分かる!楽しそうじゃんね!
特にすごいと思うのは、充分高さがある屋上にもかかわらず、さらに高く登る観覧車を作ってしまうこと。人間の上を目指す願望がひしひし伝わってきますよ。
そんな上昇志向モリモリ屋上観覧車を、外側からじっくり観察してみましょう。
施設名が掲げられることが多い、観覧車の中央にはピンクのお花が咲いています。その代わり少し下に観覧車の名前「 かんらんしゃ わんぱくホイール 」というプレートが付いている。
ほほー。「 わんぱく 」だなんて、どんだけ言うこと聞かない観覧車なのでしょうね。その可愛らしいフォルムからは全く想像もつきません。
ゴンドラは計8台。これまで乗ったどの観覧車とも趣が異なる、鳥カゴみたいな、ランタンみたいなゴンドラです。
花咲かせちゃって、8台すべてで色変えちゃって、なんだかオシャレに気の抜けない10代の女の子って感じですねえ。
高さ11.7メートル。屋上でなくても充分通用するレベルの立派な観覧車からは、どんな景色を見せてくれるのでしょう。ワクワクが止まりません!
◎ 全国3つの屋上観覧車
さてここで「 屋上観覧車 」をおさらいしてみます。
大阪HEP FIVE やアミュプラザ鹿児島といった、建物と一体的に組み込まれたビルトインタイプなら全国あるけれど、一般的にイメージする「 屋上観覧車 」とはちょっと違います。そもそも厳密にいうところの” 屋上 ”に建っていないし。
宮脇書店の観覧車も候補に挙げられますが、あれは「 屋上から行ける観覧車 」であって屋上観覧車ではありません。そうなると当記事を書いている2019年3月現在、現存する屋上観覧車と呼べるものは、全国3か所のみとなりました。
ここ丸広百貨店の他には、東京・蒲田 東急プラザ蒲田 と、名古屋・栄 名古屋栄三越の2つ( 栄は保存されているだけで乗車は不可です )。
つ!ま!り!
一時期は至るところにあって馴染みあるものだったけれど、今では珍しい貴重なシチュエーションに建つ観覧車ということで間違いないようです。
私自身ワクワクどころの騒ぎではなくなってきたので、300円の利用券を手に乗ってみたいと思います。
◎ 隠された!?驚きの仕掛けとは
「 1人です! 」とチケットを手渡すと、お姉さんがゴンドラの扉を開けてくれました。
この期に及んでも写真に夢中になっていたら「 大丈夫ですかー? 」なんて声掛けてくれる。優しい。危うく乗り損ねるところだったよ。
気になる中身は、コーヒーカップみたいな座席が丸いゴンドラでした。
ところで乗るまで気付かなかったのですが、これ窓無しなんですね。金網だけの吹きっさらしゴンドラなんですね。ちょっと寒いなー。屋上だし寒いなー。なんて思っていたらですよ。ブランケットが置いてある優しさ。かゆいところに手が届く、こういうサービス有難いっす。
さて、ゴンドラは幾分上昇してまいりましたが、ここでとんでもない違和感を感じました。97か所乗って一度も体験したことのない違和感。とんでもない違和感です。観覧車が回っているのです。
いや、ごめんなさいね。観覧車は回って当たり前なんですけれど、乗っている部分も回転しているのです。なんていうのかな、ゆっくり回るコーヒーカップみたいに!
次の画像をご覧ください。
左側は乗り込んだ直後。扉の後ろに優しいお姉さんが立っている。
そして右側は幾分上昇したころの画像です。骨組み、つまり扉が移動しているのがお分かりですね。これ、ひょっとして、向きを、変えて、い、る???
つまりこういうこと。
観覧車が1回転をする間に、ゴンドラ自体も水平に1回転。身体の体勢を変えることなく全方向の眺望を楽しめる。忍者屋敷もびっくりの仕掛けがありました。
想像をはるかに超えてきましたああああ!!!!
回転して、回転する。どんだけ回るの好きなんでしょう。夢はフィギュアスケートの選手かな? 10代女子の気持ちはさっぱり分かりません。
では日本唯一のギミックを楽しみつつ、気になる眺望をみてみましょう。
上の写真中央・グレーの建物は川越プリンスホテル、その後方には西武新宿線本川越駅があります。他2つの屋上観覧車と違って駅直結ではないにせよ、ここだって駅から歩いて5分程度。充分駅チカ物件です。
本川越駅と反対側には、とても屋上にあるとは思えない立派な遊園地が広がります。
この後、写真中央にある飛行機クルクル系遊具に乗ってみたのですが、空に浮かぶ観覧車めがけて飛行機が旋回している感覚に陥って、ラピュタ的なユートピアかと思ったよ。
ほかにも、緑色のレールでは赤色てんとう虫が走ってきたり、
さいたま新都心あたりの高層ビル群が見えたり、
高さアドバンテージを生かした見所多い眺望ではあるのですが・・・
金網めっちゃ細かくて、写真撮りにくい~
それでいてゴンドラ回転するじゃないですか。動くじゃないですか。
もう、あんた、そのわんぱく抑えてよ。10代女子なのか、わんぱく坊主か知らないけれど、もうちょい言うこと聞いてー!ってなったよねw
とはいっても、
・屋上にもかかわらず高みを目指す高揚感
・小型でも充分遠くまで見渡せる爽快感
・全国3か所しかないものに乗れる優越感
・そして、ダブルで回るという未知なる感覚
1周3分半が終わるころには、子供のように「 もう1回乗りたーい! 」ってなるの請け合いです。そういう時は思う存分楽しんでしまいましょう。我々はオトナ。子供の頃と違って財力はでっかくなったのですから。
◎ ちょこっとグルメは、その名も「ファミリーレストラン」で
さーて。思う存分楽しんだところで、お昼にしましょう。
屋上観覧車の1つ下のフロアには、レストラン街が広がっています。中でも圧倒的存在感を誇るのは、ずばり「 ファミリーレストラン 」。
お子様ラーメン( おもちゃつき! )も、クリームソーダもある。ファミレスなんて略される前からあったような大食堂的レストランです。
吟味に吟味を重ねて選んだのは、人気ナンバー1と書かれた「 広東麺 」( 926円 )です。
うーーー美味しい!
美味しいのはもちろんだけれど、エビはプリップリ。やけどしない程度にさせたスープ。贅沢に大きく切った具材からは、そこらへんの中華食堂でいただくのとはまた違う、百貨店の味というのかな。大人な高級感が漂います。
そうそう!
私も小さい頃こういうレストランで、大人に思いを馳せていたよね。
子供は誰しも大人に憧れて背伸びをしたくなるもの。その背伸びを叶えてくれるものが百貨店だったとしたら、屋上に屋上観覧車を建てる理由が理解できる気がします。
駅への帰り道、振り返ると観覧車が見えました。時代は変わっても、周りに高いビルが増えても、百貨店が憧れの的でなくなっても、いつまでも思い出のシンボルとしてあり続けてほしい。そう強く願いました。
( 訪問日 )2019年2月17日
( リンク )「 丸広百貨店 川越店 」公式ホームページ
「 丸広百貨店わんぱくランド 」バンダイナムコアミューズメント 施設紹介ページ