【96】映画の街の観覧車「みろくの里」(広島県)

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鞆の浦から明けましておめでとうございます!

波の音と、年賀状を配達するバイクの音だけが響く、とても静かな朝を迎えています。

ここ鞆の浦( とものうら )は、古くから潮待ち・風待ちの港町として栄えてきた場所。江戸時代の港湾施設が今もなお残っていて、上の画像に写る「 常夜灯 」は、安政6年(1859年)建築というとんでもなく歴史がある灯台だったりします。

近年では宮崎駿監督がこちらに滞在して、映画『 崖の上のポニョ 』の構想を練ったとして話題になり、どこか懐かしい街並みは、映画やドラマのロケ地としても引っ張りだこです。

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そんな鞆の浦のある広島県福山市には、みろくの里という遊園地があります。キャッチコピーは「 3世代テーマパーク 」。

なにがどう3世代なのか。テーマが漠然としすぎな気はするけれど、とにかく観覧車があるという情報をもとに来てみました。

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おっとー!この色褪せ方、味がありますねえ。

入園ゲート脇では「 本日ご来園の皆様 」という高級旅館に掲げてありそうな看板が出迎えてくれました。○○小学校の御一行様・・・とか普段描かれるのでしょうが、元旦とあっては団体さんもいないようでスカスカです。

しかしこの看板、個人客にも配慮してくれているようですよ。どれどれ。何が書いてあるかな?

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「 気の合うお友達の皆様 」

「 幸せな家族の皆様 」

「 仲の良いお二人様 」

あれええええーーーー!!!!!

とっても楽しいおひとり様 」とかないの? なに? ぼっち客は歓迎されないの???

初っ端から完全アウェーですが観覧車あるし・・・でも不安。でも・・・ゴニョゴニョポーニョポニョ。ぼっちで観覧車100か所乗ってみる。96か所目は、みろくの里の観覧車をレポします…!

【96】「みろくの里・大観覧車」(広島県福山市)

◎妙高サンシャインランドと兄弟機? 50メートルの観覧車

<写真・みろくの里の観覧車>

みろくの里です

気を取り直して「 みろくの里 」は、森に囲まれたような場所にある自然豊かなレジャー施設です。敷地も広いし遊具もゆったり。数少ないながら絶叫マシーンも備わって、ある程度大きなお子さんでも楽しめそう。

ところで正月から遊園地なんて行く人いるの? とお思いかもしれません。でもこれが意外と多い。帰省したお孫さんと親御さん、そしておじいちゃんおばあちゃんという、キャッチコピーじゃないけれど3世代家族を何組もお見掛けしました。

そりゃあ子供にとっては、お年玉貰ったら暇なだけだもんね。

<写真・みろくの里の観覧車>

今日の観覧車!

そんなハートフルファミリーとすれ違いつつ園内一番奥まで辿りつくと、直径50メートルの観覧車がお出迎え。この観覧車、とある特徴がありまして。

<写真・みろくの里の観覧車>

これこれ

当ブログの熱心な読者様ならもうお分かりでしょう。観覧車の周囲をぐるっと引っ掛けた2本のワイヤーを動かすことで観覧車を回転させる、ワイヤー式という稼働方法をとる観覧車です。

今の主流はタイヤ、すこし古いタイプだと歯車( ギア )で回転させるタイプがあるけれど、ワイヤー式は 福岡市動物園と妙高サンシャインランドに続き、これで3か所目。やっぱ希少なやつなんだな。

過去2つと比較すると、大きさといいゴンドラデザインといい1989年製といい、妙高サンシャイン~のものと激似。メーカーも同じサノヤスさん。これは兄弟機ってところでしょう。

そして足元には謎のオブジェを見つけまして・・・

<写真・みろくの里の観覧車>

ゴンドラのオブジェ化

これ。絶対シースルーゴンドラに付け替えるからってバトンタッチされたやつだ。

まだまだ僕は働けるのに。どうして僕は電飾なんか付けられているのさ。見世物じゃない。地べた這いつくばっていたいんじゃない。僕は空を舞いたいんだ。ただただ舞っていたいのだあーっ!て声が聞こてきそうです。悲しいなおい。

<写真・みろくの里の観覧車>

ちゃんと乗れるよ

シースルーゴンドラは全部で4台じゃん。お役御免になったゴンドラも4つじゃん。だから、あなただけでも輝いていていいじゃん!って励ましの言葉をかけておきました。少しは慰めになると良いのですが・・・

<写真・みろくの里の観覧車>

中心には、みろくの里キャラクターが顔をのぞかせる(控えめが過ぎる)

<写真・みろくの里の観覧車>

ゴンドラは5種類32台。シースルーゴンドラは4台のみ

<写真・みろくの里の観覧車>

のりば

フリーパス、または入園料のみで入ったなら1周400円。(シースルーゴンドラは値段が異なりフリーパスに+200円追加。または入園料のみで入ったなら1周600円です。)

電飾ゴンドラに別れを告げて、新年一発目を満喫してみます。

「 ほら乗ってきなー 」「 おじいちゃんおばあちゃんはベンチで待ってるからー 」みたいなやり取りが発生する中、1人です!と元気よくチケット差し出します。私がおじいさんになっても、観覧車だけは乗ってゆきたいものですなあ( お茶をすすりながら )

◎観覧車から見えるハズ!?映画にまつわる景観とは

<写真・みろくの里の観覧車>

乗ったぞー

みろくの里は冬場のイルミネーションを盛大に推しているのですが、期間中だったからでしょう。乗車ゴンドラがイルミイベント仕様で、女子中学生の部屋みたいな感じで笑った。

<写真・みろくの里の観覧車>

台数限定なのだが、全部これでも良いと思うよ

眺望は、有名なものが見えるー!という訳ではなく、ただただ自然を満喫するタイプ。このあたりも妙高サンシャイン~と似ているところですね。

都会のビル群にそびえる観覧車も好きだけれど、正月とか、落ち着いた雰囲気を求めるなら、一層解放感を得られる大自然型観覧車がお気に入り。観覧車も使い分けが大事ということです。

<写真・みろくの里の観覧車>

ゆったり配置された遊具たち

<写真・みろくの里の観覧車>

稼働中遊具コレクション

そんな一面鬱蒼とした森の中に、古びた建物を見つけました。

<写真・みろくの里の観覧車>

???

さすがにあれは廃屋な気もするけれど、みろくの里には一般非公開の時代劇オープンセットがあるのです。

勝新太郎監督の映画『 座頭市 』(1989年公開)で物語後半に登場する宿場町のオープンセットが建てられたことが始まり。その後も映画『 梟の城 』や『 あずみ 』、近年では大河ドラマ『 龍馬伝 』の撮影もされたとか。

結構広い敷地だよな。すぐ見つかるだろうって思ったのに50メートルから探しても見つかりませんでした。時代劇だけにセット自体が忍術使っているのかもね(?)

( ※プチ情報 確認するまでもなかったのですが『 座頭市 』に観覧車は写りこんでいなかったです。そりゃそうだろ。 )

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飾ってあった

冒頭登場した鞆の浦もロケが多いと書いたけれど、福山市全体がめちゃめちゃ撮影に縁ある街なのかもしれません。ちなみにTBS系ドラマ『 流星ワゴン 』( 2015年放送・西島秀俊さんと香川照之さんのW主演 )では、鞆の浦と、こちらの観覧車がW出演しているので是非。

<写真・みろくの里の観覧車>

左は尾道市方面です!

遊園地の反対側には、松永湾( 瀬戸内海 )を囲むように市街地が広がっています。来るときバス乗ったJR松永駅は、写真右側のあたり。

冒頭紹介した鞆の浦ですが、方角的には遊園地側なんだけれど・・・・・・もうぜんぜん分かりません。えーい。普段なら目ぼしい景色がないか血眼になって探す私も、今日はゆったり正月らしく、何もしない1周10分間を楽しみます。

あ~極楽ごくらく。勝手に非日常へ運んでいってくれる観覧車の醍醐味を、久々にゆったりと味わった気がします。

◎ちょこっとグルメは尾道ラーメンが美味しい

観覧車のほかに2つばかし紹介したいものがあるので、お付き合いくださいませ。

まずは新年一発目の食事から。縁起が良いものがいいな・・・といってもここ遊園地だし無いよな。

と半ば諦めかけていたところ、まあ確かに縁起のよいものは無かったのですが、福山市の隣町・尾道市を中心としたご当地ラーメン「 尾道ラーメン 」を発見です。

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尾道ラーメン(600円)

ふん。どーせ遊園地のラーメンでしょ・・・って思っていたら大間違い。

メニューに書かれた「 モチモチ食感!自家製麺を使用しています 」はその通りで、遊園地グルメにあるまじき本格派ときた。チャーシュー2枚も入っているし。

尾道ラーメン最大の特徴といえる背油がたくさん浮いているけれど、ルーツは中華そばなので最後までさっぱり味わえます。

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最後の一滴まで飲み干して、ごちそうさま!

◎いつか来た道が、懐かしい!

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いつか来た道

ラーメンの後は、みろくの里が至る所でオススメしている「 いつか来た道 」というエリアへ。

昭和30年代の街並みを再現しているよ。と聞いても、ふん。どーせブームに乗っかって上辺だけ再現した感じでしょ・・・って思っていたらまたまた大間違い。

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けっこう・・・

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凝った作りです!

映画のセットとしてこのまま転用できるんじゃない? と感じるほど、いつか来たような街並みが精工に再現されていて見応えあり。さらに室内ゾーンを抜けると、

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おーっ!

駄菓子屋さんあり、民芸屋さんあり、縁日あり。はたまた中華そばが食べられる食堂あり。これら実際に営業しているから本気で驚いた。

昭和62年生まれの私にとっては懐かしい訳ないのですが、それでも歩くとホッとするのは日本人だなあと思う瞬間です。

ここでおセンチな気分になったら、ホンモノのいつか来た道求めに、鞆の浦や尾道へ足を伸ばすのもgood。偶然にも粋な計らいが効いていますよね。

( 訪問日 )2019年1月1日

( リンク )「 みろくの里 」公式ホームページ

※ 2019年1月中旬から2月末まで、みろくの里遊園地は開園30周年に向けたリニューアル工事のため休園しています。ずいぶん大規模なリニューアルみたいですが、「 観覧車の窓交換工事 」も含まれているとのこと。よりクリアな状態でこの大自然を味わえるなんて、春以降乗車される方が羨ましいぞ~!

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