午前10時、桜木町駅からおはようございます。
1人が好きなのに、人からどう見られているか気になって仕方のない私が、克服するため始めたぼっちで観覧車100ヶ所乗ってみる。
初回の葛西臨海公園から数えて3年半。当サイト開設からは2年と9か月。
ようやっと100ヶ所目を迎えることができます。これもひとえに皆様のおかげ。ありがとうございました!
いやはや長い道のりだった。初期のころは恥ずかしさのあまり終始うつむき加減だった記憶があります。
それからというもの「 列が途切れたタイミングで乗る 」と「 乗るときは笑顔と大きい声で『1人です』 」がぼっち観覧車の2大極意だー!とか力説しつつ、北海道から鹿児島まで日本全国99か所乗ってまいりました。
そして100ヶ所目に選んだのは、よこはまコスモワールド「 コスモクロック21 」。
時に映画やドラマの撮影に使われて、
時にハマっ子の時計台として重宝され、
時にシウマイ弁当にも描かれる。
夜にはダイヤモンドのような煌めきが素晴らしい、横浜の代名詞といえる観覧車です。
……と最後まで残しておいたのはいいけれど、超定番デートスポットだったこと忘れてた。
時期によっては列が途切れないなんてウワサもあるし。すっかり100ヶ所達成した気でいたけれど、最後にちゃんと乗れますよね? ぼっち観覧車百戦錬磨の私でも有終の美、飾れますよね??
【100】「よこはまコスモワールド・大観覧車 コスモクロック21」(神奈川県横浜市)
★ 乗る前
雲ひとつない澄みわたる青空。うららかな行楽日和は、記念すべき日には最高の天気です。
午前11時の営業開始まで時間があるので、ゆっくりと観覧車へ近づいてまいりましょう。
より近い駅はみなとみらい駅になりますが、桜木町駅で降りたのは水上プロムナード・汽車道を通りたいから!

汽車道通っていくよ!
みなとみらいの建物に囲まれて、水辺を全身で感じられる汽車道を歩くと「 あー、横浜来たわ~ 」と実感するんですよね。横浜出身なのに。前回、海が見えなくても立派なヨコハマだとか書いたけれど、やっぱりヨコハマはこうあるべきなんですよ。
観覧車ファンの視点でみると、徐々に角度が変わるコスモクロックは風情があるなとおもいます。

真横にもなるしさ(?)

何度来ても存在感でかいわー!
着きました。
直径100メートル。乗り場を4階相当までかさ上げしたアドバンテージを生かし全高は112.5メートルになる超大型観覧車を、紐解いてゆきましょう。

デジタル時計
コスモクロック21最大の特徴は、なんといっても時計機能がついていること。
円の中央少し下にデジタル時計が付いているのは三重でも乗ったけれど、こちらが正真正銘本家本元。
昼間なので分からないですが、60本の支柱が秒針の役割も果たしていて、夜ライトアップされると観覧車それ自体が時計に大変身。これが「 世界最大の時計 」としてギネスに載ったとハマっ子が自慢するゆえんです。

鮮明です!
2016年3月、観覧車全体のイルミネーションがLED化されたタイミングで、デジタル時計もリニューアル。
リニューアル以降は秒針演出が少なくなってしまったのは残念だけれど、デジタル時計はより見やすく、クリアな数字となって、訪れた人々に時間を知らせています。

ランドマークタワー背後に従えて

ゴンドラ全色コレクション
60台ある8人乗りゴンドラは、おなじみ泉陽たまご型。
7色+シースルーの計8色体制でみなとみらいの空を彩ります。
コスモクロック21のことを検索すると「 たった1台しかないカラーに乗れればハッピー確定! 」なんてジンクスがあるようですが、その色は60番ムラサキ色です。
30番黄色とともに「 車イス専用ゴンドラ 」という位置づけなので、指定はできないからお気を付けを。
そんなねえ…。幸せは自分で掴みに行くのが相場ってもんですよまったく(?)

60番&1番。扉が広めになっている

入るよー!
いつの間にか入園料無料の遊園地・よこはまコスモワールドが開園したようです。エスカレーターで乗り場がある屋上へ。さあさあ100か所目。乗ってみようではありませんか!

いっくよ!
という私の意気込みをからかうように、ここで1つの試練が待ち受けていました。
扉を抜けるとシースルーゴンドラと一般ゴンドラで二手に列が分かれるのですが、配置の都合上シースルー側に無くて、一般ゴンドラ側にあるもの。そう、写真撮影コーナーです。

一般ゴンドラの列
観光地観覧車によくある「 帰り際に買うか買わないか決めてねー 」というアレですね。
購入する場合1枚1,000円。画像データがダウンロードできるQRコードもついてくるので、みんなとシェアするのに便利ではあるけれど、ぼっち観覧車のハードルを上げている要因でもあります。
コスモクロックでは写真左手が撮影スポットになっていて、係のお姉さんが「 はい!チーズ! 」か「 はい!コスモ! 」のどちらか2パターンの合図のもと、乗りに来たお客さん全組撮られています。

800円/1人(3歳以上)
想定していたとはいえ、やはり緊張しますねえ…。チケットを持つ手が震える中、私の番が回ってきました。
すると写真のお姉さん。「 お写真撮られます・・・か? 」と、?マーク10個付けちゃったような疑問形でお聞きしてくれたのです。
おおーー!!ありがたい。これなら断りやすい。
?マークの中には「 1人だから撮らないよね。でも一応お聞きするけれど断って全然いいんだよ。観覧車乗ってくれるだけで嬉しいんだから(*’▽’) 」という優しさに溢れるニュアンスが含まれているのです。
この辺りの塩梅は係員さんによるでしょうが、心遣い、嬉しいっす!

そして・・・
そして撮影ゾーンを抜ければ、
いよいよ
ついに
ついに、ついに、ついに・・・
ついにーーーっ!

\どうだー/
の、乗れた!
というわけで。この瞬間「 ぼっちで観覧車100ヶ所乗ってみる 」3年半越しのチャレンジが無事達成!有終の美、飾れたぜ!
★ 乗った
ただですよ。喜びを噛みしめている暇なんてなかったのです。
横浜の観光スポットを半分集めちゃいました的な景観が、全方位で広がるのですから。
しみじみするのは後にして眺望紹介まいりましょう!

絶叫系レールに別れを告げ上昇してゆくと・・・

きたこれ
Yokohama is Wonderful City.
何度でも書くけれど港町ヨコハマはこうでなくては。
まず写真中央、ご存知横浜赤レンガ倉庫にズームアップしていきましょう。

奥が短いのは関東大震災で損壊したから
1911年~13年に建てられた倉庫を集客施設にリノベーション。今や横浜に欠かせない超人気スポットです。
ここで食べる「 馬車道あいす 」はちょこっとグルメにぴったり。
日本初のアイスクリームは横浜・馬車道で誕生したのですが、当時のアイスクリンを現代風にアレンジしたものがこちら。最中の皮をサクサク砕きながら食べるのが楽しいんですよね~

カスタード(350円)。一般的なアイスよりさっぱりしていて美味しい
赤レンガ倉庫の上に伸びるのは大さん橋。豪華客船も停泊する文字通り大型の客船ターミナル・・・なのだけれど、近年は客船自体が大型になってきて、ベイブリッジをくぐれない船も多発しているそうな。

奥の山々は房総半島
右に視線を動かせば山下公園と、係留された貨客船・氷川丸が見えますね。
おっと。写真右手には横浜マリンタワーも顔をのぞかせています。世界一高い灯台としてギネスに載った時期があるというのは、ハマっ子でも自慢している人少ない気がする。とはいえ展望台から眺めるみなとみらいは格別なんですがねえ。

美しいぜ
今度はだいぶ視線を右に動かして、矢印の白屋根・桜木町駅を見つけましょう。そこから手前に伸びるのが朝歩いた汽車道。マジで水上なんだね!
さて当サイトをご覧の皆さんは、知らず知らずのうちに観覧車メーカー・泉陽興業さんのファンになっていると思うので書きますと、2020年、桜木町駅から汽車道と並行するかたちでロープウェイが作られることが決定しました。
その建設や運営を担うのがコスモクロックと同じ泉陽興業さん。観覧車ファンとしては初日に乗りに行かねばだ。
それではメイン眺望を見てみます。準備はよろしいですか? いきますよ!

てっぺん付近から眺めてみた
どどどん。
横浜ランドマークタワー( 70階建て・296.33メートル )と3棟のクイーンズタワーが目と鼻の先でこんにちは。
コスモクロックが特徴的なのは、こんなに間近で観覧車以上の高層ビルが迫ることなんですよね。葛西臨海公園のような見通しの良いところに建つよりも、高さを身をもって感じられる。自分の今いる高度が、建物によって目安になるのです。
その高さも、3倍近くあるランドマークタワーには到底及ばないけれど・・・

こちらも近い!
ヨットの帆でおなじみヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル(140メートル)とは互角に勝負できる。やはり100メートル超の観覧車というのはデカいのです。

ゴンドラには「観覧車ナビ」というタッチパネル式案内板があるけれど触るヒマないよー

直線距離32キロ。消え入るような東京スカイツリーを発見

矢印の新港ふ頭では新たな客船ターミナルが建設中。商業施設やホテルもできるんだって
★ そして1周へ
4分の3を過ぎたあたり。これはシースルーゴンドラ限定だけれども、真下を向いたらマジで空中遊泳しているのには驚いた。

運河にかかる橋の上を飛ぶ~
写真はこの後シースルーゴンドラに乗車したときのもの。
観覧車の円がデカすぎるあまり、一部分が水上&道路へせりだすサプライズ。百戦錬磨の私でもこれには足がすくんだわ~
他には、屋上に足湯がある日帰り温泉・横浜みなとみらい万葉倶楽部。横浜ベイブリッジにその弟分的な鶴見つばさ橋の主塔まで見つけられたらお腹いっぱいですね。
中央茶色い建物・カップヌードルミュージアム 横浜で世界に1つだけのマイカップヌードルを作ってもいいし、さてこの後は何処へ行く?
観光スポットの見本市のような眺望は、次の予定を立てるのにもってこいです。
1989年、横浜博覧会の1パビリオンとして誕生したコスモクロック21。
建築当時はただただ空き地が広がっているだけの「 みなとみらい 」を、1度移設を経ながらもその発展を見守り続けてきました。果たして30年前に夢見た未来は訪れているのでしょうか。これからも横浜のランドマーク( 目印 )として、さらにもっと夢見てほしいと願っています…!

もうすぐ降りる…
さて。ゴンドラはまもなく1周を終えるようですね。これまでの3年半が蘇ってきました。
・暑すぎると観覧車は止まると知ったこと
・強風により3度目の正直でようやく乗れたこと
・解体間際の観覧車では、地元の人たちが大勢並び懐かしんでいた
・バス無くて駅から往復2時間歩いた
・観覧車が好きと伝えたら「 頑張って! 」と応援してくれた係員さん
・くまのプーさん(ぬいぐるみ)と一緒に乗った
・観覧車のためだけに津軽海峡を渡った
・8,000円のVIPゴンドラに乗った・・・・・・
観覧車は「 人生変わらないもの 」の象徴として物語のモチーフになることがあります。1周して結局元いた場所に戻るからでしょう。
私からしてみれば、そんな訳あってたまるかーっ!と叫びたくなる。
次はどんな観覧車に出会えるだろうかと予想して、公共交通機関だけで辿りつき、多少なりとも緊張しつつ1人で乗り込めば、非日常の浮遊感が、私を日常から解き放してくれる。
「 ぼっち観覧車が小さな冒険 」だとすれば100回・100通りの冒険を経て、いま私の人生はとてつもなく充実したものになりました。
1人でできることが増えるたび、こんなにも心が満たされるとは思ってもいませんでした。
ぼっちで観覧車100ヶ所乗ってみた。
1人で楽しむことは何ら寂しいことではないし、恥ずかしいことでもない。周りの視線が気になっていたけれど、人は見ず知らずの他人のことをそこまで意識しない。月並みだけれど、そんな大切なことをぼっち観覧車は教えてくれました。
気の合う仲間や家族と過ごすのも良い。その良さを知った上で、ぼっちを楽しめる。そうすれば人生きっと無敵になるのかなと信じています。
長丁場にもかかわらず、応援していただき本当にありがとうございました。乗りに行けていない観覧車も気になるし、観覧車以外のことも色々と挑戦してみたい。
だからこれからも元気な声で堂々と。
観覧車の存在に負けないくらい堂々と。
こう言っていきます。
「 1人です! 」ってね。

\はい!コスモ!/
( 訪問日 )2019年3月17日
( リンク )「 よこはまコスモワールド・コスモクロック21 」公式ホームページ
※ ちなみに当サイトはこれからも細々更新してまいりますので、引続きどうぞよろしくお願いいたします!お気に入り削除されるのが一番寂しいですよ。
100基達成、おめでとうございます。ルポがだんだんうまくなってきましたね。
楽しく読ませていただきました。
次は200基を目指してください。日本だけでなく、海外へも進出してください。
世界は広い! 観覧車は無限だ!
期待していますね♪