【68】そこは観覧車の新天地。二重式観覧車「ラクテンチ」(大分県)

当ブログの読者の皆さんならご存知ですよね。このまえ日経新聞に掲載された( リンク→ )大空彩る個性派観覧車 東西12選 』という素晴らしすぎる記事を。

なんでも、観覧車や旅行に詳しい専門家10人が、全国の観覧車を順位付けしたというもの。東西それぞれベスト6が選ばれた訳ですが、このような権威あるランキングで1位、つまり金メダルを取った観覧車なら、文字通り日本を代表する観覧車といって異論はないでしょう。

東の金メダルは、横浜よりコスモクロック21。数多くの撮影に使われて、横浜を代表する景観として全国的にも有名です。最近では、アイドルグループ・つばきファクトリーの『 I Need You ~夜空の観覧車~ 』のMVで登場し、かわいすぎる!デート気分味わえる!と大評判。コスモクロックの美しさも相まり、さすがの私も、ぼっちよりデートの方が似合うわな。と認めざるをえない観覧車です。

そんなコスモクロックと双璧をなす、西の金メダル観覧車はというと、、、このフォルム。驚かれた読者の皆さんも多いのではないでしょうか。

<写真>

みてこれ!

こ!ん!な!観覧車あるんですよ!!!

今回は大分県別府市の遊園地・ラクテンチにある、世にも珍しい二重式観覧車をご紹介。聞き慣れない&見慣れない観覧車はどんなのでしょう?( 光栄なことに私も選者10人に入っているってことは内緒。だって田舎の実家の家訓が「謙虚でいなさい」で(嘘) )

【68】「ラクテンチ・フラワーかんらん車」(大分県別府市)

ぼっち観覧車100個目指そう。そう心に誓ったときから、絶対乗りに行くと決めていたやつがこの二重式観覧車だ。まるでシーソーのように、両脇についた2つの観覧車はどんな動きをするのだろう? ぶんぶん振り回して飛んで行ったりしないの?? 危なくないの???

写真を目にした瞬間、疑問は脳裏に押し寄せて、好奇心はかき立てられた。もはや一目惚れ。一目惚れなんて滅多にしない人間がする一目惚れだからタチが悪い。

日本で唯一の二重式観覧車をネットで追い求めるばかり、別府が日本を誇る温泉地ということをすっかり忘れていたほどだ( 前回参照 )。

<写真>

ごたいめーーーーん!

というわけで、別府2ヶ所目・ラクテンチへやってきた。

同じ別府市内といえど城島高原パークは山の中。対してこちらは街の中。直通バスは僅少だけれど別府駅から2キロ弱、余裕で歩ける距離です。

お城に見立てたメインゲート前に立ち、I’m glad to meet you. お会いできて光栄です。崖の上に佇んでいらっしゃる二重式観覧車様とご対面。嬉しすぎるあまり頭から湯けむり出そうになりました。

<写真>

やっと会えたー!

入園ゲートをくぐると、発車間際のケーブルカーが止まっている…!崖の上に広がる遊園地までは、このケーブルカーが運んでくれるのだ。憧れの観覧車様に近づくのだから、少しくらい苦労しても良いと思ったけれども、さすがは西の金メダル。配慮が行き届いている。らくちんだ。

<写真>

何年ぶりかに乗ったケーブルカーの車体は、

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「アルナ工機」製。むかし神戸ポートピアランドにあった観覧車のゴンドラを作っていた会社です!

<写真>

駅出たらお2階が乗り場

ガタゴトと数分の非日常を味わうと、観覧車のお膝元までやってきた。ここはケーブルカーの山上側駅舎( 1階 )と、観覧車の乗り場( 2階 )が同じ建物に同居。階段が中にないので一旦外に出る必要はあるものの、お膝元すぎるよ!!

それでは二重式観覧車「 フラワーかんらん車 」へ乗ってみよう。入園券と一緒に手に入れておいた5枚分ののりもの券「 とくとくのりものけん 」を持って。

<写真>

柄かわいい。観覧車は2個パンチされる(料金改定で2018年3月からは1,500円)

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タコを寸胴にしたような(?)ゴンドラは、両脇にそれぞれ10個

<写真>

フラワー!

<写真>

大雨だったので、座席を拭いてくれるお心遣い

よろしくお願い致します。まるで神社や仏閣にお参りするかのように厳粛なキモチで乗り込む。ぼっちという状態に対して緊張したことは数あれど、敬い尊ぶ感情になったのは今回が初めて。唯一無二な観覧車を前にしては、人は誰でも謙虚になれるのかもしれない。

<写真>

まず小さく回転

さあー動くよ!!!

ご覧のように地面と垂直に立っている状態が基本形。ここは乗客0でも回り続けるタイプではなく、誰も乗っていない時は、この状態で停止している。動き出したらまず① 垂直な状態のまま小さく1回転だ。

<写真>

コーヒーカップのよう。5人乗りをぼっちで。

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頂上付近1回目

最初の1回転はいたってふつーの観覧車。それでも崖を登ってきたアドバンテージもあって、別府市内が一望できる( 景色はこの後のお楽しみ )

1周し乗り場付近までもどってくると「 まもなく動きます。ご注意ください 」とテープ音の後に、係の人から「 はい!ただいまから一番上まであがっていきますー 」と案内が。

途端、観覧車は速度を上げ(!?)、思っても見なかった動きをしはじめた!!

<写真>

つまりこう

なにこの感覚!モーター音が大きくなり、ぐんぐん視界が高くなってゆく。早い。まるでシースルーエレベーターに乗っているみたい。何が起こっているかというと② シーソー自体が回りだす大回転がはじまり、その間も小回転しているのだ。

どこを撮っていいか迷う暇がないほど、あっという間に垂直だったシーソーは平行に、さらに回ってシーソーは180度、垂直状態の基本形で停止した。デカいのに瞬発力ありすぎませんか観覧車先輩。

速度が戻ると③ その状態で小回転1周がはじまる。

<写真>

平行

<写真>

地面ははるか下

なにこれ楽しい

ゴンドラが変速するという不思議な感じと、あんな棒切れ1本で支えてほんとうに大丈夫?というスリル感。そして最高地点では、風車の上に片足立ちしているようなドキドキ感。普段、観覧車に乗りなれた人でも、全くの別の乗り物として楽しめるのすごい。

<写真>

一筋伸びる海への道

感動をさらに高める要素が、この眺望。

一言でまとめてしまえば「 別府市内を一望できます~ 」なのだけれど、見てみて!真下の道が一直線。別府湾まで繋がっている景色を!

美しくありませんか!?

これ、考えて観覧車建てたよね絶対!神奈川県民の私からすれば、鶴岡八幡宮の本宮から見た相模湾へ一本道が伸びる景色と瓜二つ。大階段がケーブルカーの線路に変わっただけ。妙に親近感あるよー!!

<写真>

中央・ヤマダ電機(黄色い建物)の手前が別府駅。その後ろのタワーは??

少し左を向いて、銀色にそびえるタワーをご覧あれ。高さ90メートル別府タワーだ。年季が入っているのがここからでも分かるけれど、あれ、内藤多仲氏が設計したタワー6兄弟の1つ。ちょうど昨日、マリノアシティの観覧車から同じく6兄弟の博多ポートタワーを見ていたから、共通点はっけん~( この後登りました )

<写真>

なんだあやつは!(これは観覧車乗り場から撮影)

目線をさらに左に向けると、人と言う字は人と人が支え合って出来ているような(?)物体が否応なく視界に入ってきた。ビーコンプラザ・グローバルタワー。あんな細っこい身体して展望台なんですってよ!

<写真>

マジだ!人間いる!!

棒の中にエレベータが1台あって、それで登るんだけれどよ( やっぱりこの後登りました )。見ての通りガラス張りだわ、天井吹き抜けだわ、この観覧車並みに不安定感がスリルすぎ。

多様な展望施設がそろう別府は、展望台マニアにとって聖地かもしれません。

<写真>

2度目の平行バージョン

最後は、④ ②と逆で小回転しながら最初の位置に戻り終了。乗車時間14分弱と、東の金メダル・コスモクロック21に引けをとらない長さでした!

この二重式観覧車、兵庫県の宝塚ファミリーランドの閉園にともない( 宝塚時代はシーソーがもう1つ付いていた! )新天地を求め、別府ラクテンチへ移設されたもの。これ以上他の新天地にいかず、ずっーとここにあり続けてほしいですねえ。

<1>アヒルの競争にチャレンジだ!

ふーぅ。興奮して尺取りすぎたけれども。ラクテンチは他にも楽しいとこがたーくさん。おすすめ3つを簡単にご紹介します…!

1つ目は、ラクテンチ名物「 アヒルの競争

<写真>

よーいどん

何色のアヒルさんが勝つか、参加者は100円で投票。数メートルのかけっこで見事当てたら賞品がもらえるゲーム。私が選んだ緑色のアヒルさんは、、、スタートでおくれているよー!

<写真>

わあああ

<写真>

レースが終わると律儀にスタート位置へ戻るアヒルさん

2回挑戦したけれど、激むずですねこれw

<2>無料の温泉あるよ!

<写真>

絶景の湯

さすがは別府。遊園地の中に無料で入れる温泉作っちゃいました。マジかよ。素人目からすると温泉の無駄使いしている感あるのだけれど、源泉数・湧出量ともに日本一の別府だからこそ。男湯からは観覧車ビューな絶景でした!

※プチ情報 靴と荷物のロッカー代は別でたしか110円。あとタオル自販機で買えるタオルが、どうやら観覧車柄らしいです。買いそびれた…。)

遊園地にきて裸になるのは面倒。というアナタには足湯があるよ。

靴下脱ぐのも面倒。というアナタには手湯もあるよ。よりどりみどりすぎません?

<写真>

はい。足湯ー!

<写真>

はい。手湯ー!(夏場は手水になるらしい)

<3>別府名物・地獄蒸しを味わおう!

別府名物で検索すると、とり天・だんご汁・地獄蒸しの3点がたいていヒットします。前2つは前回いただいたので、ラクテンチでは地獄蒸しを。

す 「 ところで地獄蒸しって何でしょうか?

店員さん 「 そこで蒸気がわいているのをここまで引っ張ってきて蒸しているんですー。たまごが茶色くなるんですよ。

す 「 あ!温泉卵みたいな!

店員さん 「 そうですー!

<写真>

わたしの地獄蒸し。木の筒を外した場所から蒸気が。

そこ、と指さした先ではジュワジュワ蒸気が出続けて、さすが温泉地。というか無知すぎる質問ごめんなさい。凍ってあるから17分かかるーということで、待ちきれず開けてもらったり、じっくり待ったりしていると、、、

<写真>

お手数おかけします。開けてもらいました

<写真>

うひょーーー!!!うまそーーー!!!

ちょこっとグルメ地獄蒸し( 1,000円 )。開けた瞬間蒸気ぶわっ。絶対うまいやつ~。

かぼすポン酢をつけていただくと、素朴でほくほくで田舎のおかあさんの味。親と同居した実家暮らしだけれどね。種類豊富でヘルシーなところもポイント高いです!

というわけで、2年近く一目惚れしていたラクテンチの二重式観覧車に乗れました。憧れとおり、いや写真で何度目にするよりも100倍楽しかったです。

冒頭の日経の記事では、選者のコメントとして「 大分に来たら遠回りしてでも行きたい※1と紹介されていたけれど、本当その通り。もうね、この選者さん良く分かっているなー!って関心しましたよマジで( 最後まで謙虚になれずすみませんw )

( 訪問日:2017年10月21日 )

( リンク )「 ラクテンチ 」公式ホームページ

※1 こちら(↓)から引用いたしました。

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『【68】そこは観覧車の新天地。二重式観覧車「ラクテンチ」(大分県)』へのコメント

  1. 名前: 投稿日:2019/01/16(水) 01:05:44 ID:cbfa59fe0 返信

    マツコの知らない世界で宝塚ファミリーランドの観覧車がこちらにある事を知りました。
    それで色々調べていてこちらに参りました
    観覧車がちゃんと動いていることを知ってうれしいです(´;ω;`)
    宝塚ファミリーランドの観覧車は取り壊されたものだとずっと思っていました

    昔、この観覧車に何度も乗っていたので懐かしく思いました。
    あひるさんがいる楽しそうな所でちゃんと観覧車は動いていたんですね
    本当に泣けました(´;ω;`)
    ありがとうございました

    • 名前:すずやす 投稿日:2019/01/18(金) 22:50:05 ID:cc06831c2 返信

      夏さま

      ご丁寧にコメントくださり、ありがとうございます。
      宝塚ファミリーランドをご存知で、何度も乗られたことがおありなのですね。とても羨ましいです。

      楽天の観覧車は同じ宮城県内の遊園地から持ってきているものですし、
      別の土地で元気よく動いている観覧車は結構あるものです。

      宝塚・・・跡にできたイングリッシュガーデン(?)は行ったことあるんですけれどねえ。
      もっと早く知っていれば。
      「片方」でも充分おもしろい動きをするのだから、宝塚時代のダブルな感じ、この目で見てみたかったです。

      別府も、ラクテンチも、楽しいしとても良いところですよ。
      いつか是非行ってみてくださいませ。
      元気に働く観覧車が、夏さんのことを出迎えてくれるはずです!

      こちらこそ、ありがとうございました!

  2. 名前:U・M 投稿日:2019/01/27(日) 01:52:40 ID:3948559b9 返信

    初めまして。
    これ結構凄い観覧車ですが、所謂「ダブル観覧車(ホィールが2つ付いた観覧車)」
    と言うのは、昔は結構あったんですよね。
    40年程前にはとしまえんに、これと似たような形状の「スカイホィール」と言うのが
    ありましたし(子供の頃実際見ましたが、かなり混んでて乗れませんでした涙)
    西武園には3つのアームに3つのホィールが付いた「トリプル観覧車」と言うのも
    ありましたよ!因みにスカイホィールもトリプル観覧車も今は有りません・・・

    後、ダブル観覧車ではありませんが、御殿場ファミリーランドにあった観覧車も
    ユニークでした。
    観覧車の真ん中をジェットコースターが走り抜けると言う、今のビッグOの原型の
    様な仕様だったのですが、こちらはコースターが潜り抜ける穴(トンネル?)が
    かなり狭く、ビッグOよりスリリングに見えました。

    • 名前:すずやす 投稿日:2019/01/27(日) 20:40:06 ID:e174fd425 返信

      U・Mさま

      ご丁寧なコメント、ありがとうございます。
      どれも似たり寄ったりの今の観覧車より、独創的な観覧車が多かったその時代が羨ましいですし、
      実際に目にしたことがあるU・Mさんがとても羨ましいです。

      西武園のトリプル観覧車は、2004年頃まで現役で動いていたんですよね。
      今では考えられない形状、本当オモシロイし乗ってみたかったなあ。

      御殿場ファミリーランドの旧タイプもご存知だとは、お詳しいですね。
      たまにビッグオーが世界初のジェットコースターが潜り抜ける観覧車。だなんて言われることもありますが、御殿場が先駆者ですもんね。
      円の中心にトンネル?付けてしまう発想すごいです。

      現在はほとんど写真も残っていないのが悲しいですが、トリプル観覧車共に考案された方の独創性が素晴らしい観覧車だとおもっております。

  3. 名前:シャウラ 投稿日:2019/02/04(月) 19:46:12 ID:b9ce74db0 返信

    はじめまして♪

    宝塚ファミリーランドは子供の頃に何度も家族に連れていってもらった想い出の遊園地で
    この観覧車はファミリーランドに行く度に乗っていましたぁ♪

    最近になってよく宝塚ファミリーランドの乗り物って閉園後どうなったのかなぁ?と、思うようになり、いろいろ調べる様になりましたぁ!

    閉園になった当時、園内にいたホワイトタイガーやライオン、象やレッサーパンダといった動物たちが他の動物園や遊園地に移動になると言う情報はよく聞いていたのですがー
    乗り物についてはほとんどが潰されてしまう予定だったためか、移設などの情報はあまり聞かなかった気がします…。

    せめて過去の園内の写真や乗り物の写真とかあれば?
    と、何度もネットで探してみても当時まだまだデジタルで写真を残す時代じゃなかったためか…
    少しは見つかるものの、あまり園内の写真や乗り物の写真が出てこなかったんですよねぇ…(>_<;)

    そんな中、すずやす様の記事にたどり着きまして、あの観覧車は国内で今でも現役であることを知って、懐かしさと同時にとても感動しています♪

    たしかスズランの花のかたちをモチーフに造られたゴンドラだったんですよぉ♪
    回転する柱とそれぞれのゴンドラをささえる柱には電球がつけられていて、夜になると光る仕組みでとても綺麗でしたぁ♪

    すずやす様のお写真を拝見しているだけで、柱が回転した時のゴンドラの中の不思議な感覚を思い出します♪(*´ー`*)

    素敵な記事とお写真ありがとうございます♪

    • 名前:すずやす 投稿日:2019/02/04(月) 21:07:11 ID:7e52dad5f 返信

      シャウラさま

      ご訪問くださり、そしてコメントもありがとうございます。
      宝塚ファミリーランド時代に乗られたことがおありなのですね!
      羨ましいわぁ♪

      閉園からたったの十数年なのに、ネットには本当に写真残っていないですよね。
      なんならこちらのブログがヒットしてしまう。違うちがう。宝塚時代の観覧車が見たいのにー!というジレンマです。

      夜になって電球(LEDじゃないところが良い!)がつけば、さぞ美しかったんでしょうねえ。
      花に明かりを灯すなんて最高のロマンチックじゃないですか。
      ラクテンチに移設してからはそのようなライトアップは無く、夜になると山の中&闇の中に薄っすらと浮かび上がるだけ。
      あ~あの頃に戻って見てみたい・・・。

      不思議な感覚を思い出していただけたようで書いた甲斐がありました。
      小さく回転した後の、一気に大回転がはじまるところ。あの浮遊感。当たり前ですが他のどの観覧車にもない感覚ですよね。
      あれを子供の頃から乗り慣れてしまったら、フツーの観覧車なんて物足りないのではないでしょうか。

      こちらこそ貴重な思い出話を、ありがとうございました♪
      それからあの花が(たしか)スズランと教えてくださり、ありがとうございました!