鹿児島空港から路線バスで20分ちょい。JR国分駅にやってまいりました。
観覧車はここから「 車で5分 」の距離ということで、のんびり歩いてみましょう。雲ひとつない澄みわたる秋晴れ。ほどよいポカポカ。最高の行楽日和ですから散歩にはちょうどいいですね。そんななか数分経つと、ハローワーク国分の後ろでこんにちは。目的の観覧車を発見しました。
ずいぶんと高台にある観覧車ですねぇ。さぞ見晴らしがよいことでしょう。でも高台にあるということはつまり・・・とてつもない急坂だ。
タクシー乗ればよかった…。
車で5分を侮っていました。誰も歩いていないこんな急坂が永遠と続きます。途中見つけた道路標識には、上り急こう配あり15%。これは100メートル進むと15メートル上昇する、とてつもない急坂だよ注意して。という標識です。
この歩道、歩かせる気ないんですけど!
自然に還りつつある歩道は、だれも歩いて登る人がいないことを物語っています。草生えてるし。湧き水で池地獄になってるし。
しまいには3番目にニガテなもの・くもとくものすが行く手を阻んできます。わざわざこう平仮名にするほど大の苦手なんですが、もう私を歩かせる気ないでしょう。勘弁してほしい。
やっとこさ看板見つけた!着いた!と思ったらまだ続く。
最近の旅行系ブログでは、実体験に基づいて「 ○○をオススメします! 」だとか「 こうするとおトク! 」だとか、知りえた裏情報を入れる風潮があるので真似してみますと「 駅からタクシー乗ることをオススメします!」である。お薦めするまでもなく、歩いて登る人いないだろうけどね。
いよいよ本当に本当に坂道が終わろうとする頃、落ち葉を掃くおじさんに出会いました。ぜーぜーはーはーしていると「 登ってきたのか? 」と労いの言葉をかけてくださいます。
そうなんですよ。車で5分の道を50分かけて登ってきたんですよ。こんな道歩く人いないっすよね!
がんばったねー。すごいすごい。なんて返答を想像していたのですが、僕じゃないけれど毎朝徒歩で出勤する人いる。運動していない証拠だ。がはははは。と豪快に笑われてしまいました。なんなの。
いきなり鹿児島の洗礼を受けた気がしないでもないのですが、3日間で県内4つの観覧車をぼっちで制覇する旅のスタートです。1つ目は、鹿児島県霧島市・城山公園から。どうぞ。
【91】「城山公園・観覧車」(鹿児島県霧島市)
城山公園は、高さ192メートルの高台にある入場無料の公園です。
ぽかぽかな行楽日和ですからね。家族連れがビニールシートを広げ、たくさんの園児たちが遠足で遊びにきています。息も絶え絶え登ってきた私なんか場違いのように、みなさん涼しい顔をしています。
そんな城山公園には、観覧車のほかにも展望台が備わっています。休憩がてらエレベーターで登ってみたら、大自然をバックにしたがえたカラフルな観覧車がお出迎え。それにしてもすごい場所に建っておりますねえ。
景色は乗車前から期待しかありませんが、まずはじっくり外観から観察してみるとしますか。黄色・青・赤・ピンクと4色揃えるゴンドラは、なんだか妙なカタチをしていて…
おっと。これ、どこかで見たことがあるぞよ。
90か所乗ってきた観覧車の記憶を、ひとつひとつ辿ってゆきます。あのときも1時間近く駅から歩いたような、、そうだ!群馬サファリパークだ!
彫刻作品のような特徴的なゴンドラは、唯一無二だと思っていたのに!まさか!鹿児島で!お会い!できるとは!!
あの時の窓なしゴンドラはとても見晴らしがよかった。これはこれは期待が高まります。
施設名が掲げられることが多い中央に、変なライオン様が鎮座しておられた群馬サファリ。代わってここ城山公園では、イラストが描かれています。
想像するに、山々と、見渡す限りのみどりと、青色は反対側にひろがる海でしょうか。今いる立地そのものを表しているなあ。城山公園のシンボルマークかしら。などと予想を立ててみたところ、霧島市の市章でした。
市章が描かれた観覧車!こんなの初めて!
ちなみに青色( 紺 )は、錦江湾と市内を流れる天降川を表現しているそうで。ということは、山々に、平野に、雄大な海が見えるのですね。期待が最高潮に達しました。
居ても立ってもいられません。遠足でにぎわう公園内を抜け、観覧車に乗ってみることにします。
さて、群馬サファリでは見事なまでのオープンエアーを体感できたゴンドラは、ここ霧島だとどうなるのでしょうか???
おおおーーー・・・おっ?おっ? アクリル板がーーー!!!
群馬サファリでは、ほんの一部分しかなかったアクリル板が、ここ城山公園では全面に張り巡らされています。視界がクリアではないー!
安全対策がそれぞれの施設で異なるのは当然のことで、吹きっさらし状態より安心感が増して、万人が乗りやすくなったといえるかもしれません。
曇っている? でも大丈夫です。” 隙間 ”をつかって、素晴らしい眺望を見てみようではありませんか。
まず市章の一番上にも描かれていた「 山々 」から。観覧車が建つこの場所でさえ私にとっては充分すぎるほど” 山 ”だけれど、奥には山岳と呼べそうなものが連なっています。
分かりやすいよう名前を付け足してみますね。
どどどん。
あれらは日本百名山の一つ・霧島連山( 霧島山 )です。
霧島山という山はなくて、いくつかの山々が合わさって霧島連山を構成しているのですが3つばかし取り上げると、
★ 標高1,700メートル・霧島連山最高峰の韓国岳( からくにだけ )
★ つい最近も噴火した新燃岳( しんもえだけ )
★ 霧島連山2番目の高さをほこる高千穂峰( たかちほのみね )
と運動不足かつ、くもとくものすが大嫌いな私でも、名前くらいは知っている有名お山のオンパレードでした。
お次は、霧島連山から視線を左に動かして、手前の高台にレーダー的なやつを発見です。
こちらのお山より位置的に高いし、宇宙的なやつの観測所かいな? と予想を立てると、つい数時間前に降り立ったばかりの鹿児島空港でした。
そういえば国分駅まで乗ってきたバス、ずっと坂を下っていたな。観覧車のてっぺんにきても、空港の方が標高上なの変な感じ~
続いて霧島市の市章では緑色。「 平野部 」を見てみましょう。
どうですか。雄大な自然が広がっていたかと思えば、今度は広大な市街地が。趣向が異なる景観を1つの観覧車から見れてびっくりしたわ。
ここが、大自然と市街地のちょうど境界線上に建っているからこそなせる技。ここに公園を作った人、全力でほめたたえたい。
そして市章では紺色の一部、錦江湾を見てみると、、、
桜島だーーーー!!!!
これまで幾度となく噴火を繰り返していた桜島はあちらです。
雄々しいなかにも守護神のような神々しさを漂わせる桜島は、特に大正の大噴火の規模が大きくて、左側にある大隅半島と陸続きになったというのだからパワーがすごい。
いやはや感激です。
東京で行きつけの鹿児島料理のお店には、桜島が描かれた巨大な絵が飾ってありまして。いつかこの目で本物を拝んでみたかったのです。大好きな観覧車から見渡す桜島。ぼーっと眺めているだけで心が落ち着いてくるから不思議な魅力がありますねぇ。
ちなみに県内4つの観覧車のうち、桜島は3か所で眺められます。それぞれ見える角度が異なるところも要注目ポイントです。
SLと展望台の間には、つつじの植え込みで作った「 国分市 」はっけん。2005年に合併して霧島市になる前、ここが国分市だった名残とのこと。
霧島連山から桜島まで、特大眺望なんでもありの短すぎる1周6分弱。降りた瞬間、すぐにこの景色が恋しくなること請け合いの観覧車でした…!
で、恋しくなりつつ公園のレストハウスみたいな場所で食事をしたら、観覧車無料券もらったよ。300円以上買うと1枚もらえるとかで、恋焦がれた私の気持ちが悟られたのかと一瞬焦りました。
さて2回観覧車乗ったので、下山する時間となりました。
労いの言葉をかけてくれたおじさんが「 運動公園へ続く道は、少し緩やか」と教えてくださったことを思い出したのです。これですね。これこそ、皆さまにお伝えすべき裏情報、オススメ情報かもしれません。
一応地図アプリで確認すると、国分駅の方向へ続いているみたい。安心して下りはじめたのですが、ん? あれ? 獣道ぽい様相だよ?
このあとですが、数年ぶりに目撃したレベルのくもとくものすが阻んできました。もう天晴れと認めざるを得ないレベル。絶対通さんぞという強い意志を感じるレベル。逃げ返すしかないレベル。
速攻でUターンして、素直に来た道下山しました。相変わらずオススメ情報も、オトク情報も、皆さまにお伝えすることができない当ブログではございますが、残り9か所。何卒お付き合いいただければ幸いでございます!?
( 訪問日 )2018年10月13日
( リンク )「 城山公園 」公式ホームページ