いつか行きたい!と思っていた場所が、いつのまにか無くなっていた経験は誰にでもあるとおもう。無くなることを事前に察知できることの方が、むしろ難しいかもしれない。
2016年12月。スペースワールド閉園決定のニュースは、職場でひらいたYahoo!ニュースで知った。「 うそでしょ! 」と叫んだ記憶がある。隣に座る上司が怪訝な顔してこちらを見たとおもう。
神奈川県民の私にしてみれば「 遠い昔。遥か彼方の銀河系 」レベルに遠いスペワ( スペースワールド )
一度も遊びに行ったことないのに、縁もゆかりもないのに、そんな私が何故絶叫したのか?
ここには観覧車があるんですよーーーー!!!!!それもでっっかいのが!!!!!
本当にスペワの歴史が” a long time ago ”してしまう前に。いつか行かなきゃを今実行すべく。2017年夏のある日、スペワの観覧車に乗りに行ってきましたー!
【60】「スペースワールド・スペース・アイ」(福岡県北九州市)
これこれー!スペースシャトルと、その前をぐるりと回るコースター。スペワと聞くと真っ先に思い浮かべるのがこの光景。
なんとスペースシャトルの真下まで近づけるんだけれど、そのデカさは見上げる首が痛くなるくらい圧倒的。解説読むとそのはずで、アメリカの製造メーカーから図面やデータの提供を受けて忠実に再現されているのだとか。リアル・ディスカバリー号。かっこいいぜ。
すげー大きな燃料タンク( オレンジの )と打ち上がるんだもんな。子供の時の夢=宇宙飛行士な私だったから、こういうの見ると無条件に興奮するよ……と一通り満足したところで、本日のお目当てに向かいましょう。
観覧車「 スペース・アイ 」は直径80メートル、ゴンドラの数48台の『 九州最大級の大きさと美しさを誇る観覧車 』( 公式ホームページより )だ。
” 大きさ “は文字通り、” 美しさ ”に関してはコレの事だよね。ど真ん中のとこー!
何といっても特徴は、豪華さを持ち合わせた「 真ん中部分 」でしょう。
デジタル時計が付いていたり、遊園地名を記した看板が張り付いている観覧車は数あれど、太陽をイメージしたのかな、エラいことになっている中心をご覧あれー!
なにこの骨組みの満員電車感。
カメラでズームしても、どこがどう繋がっているか分からない程の凝ったつくり。やばい。なにこれ。
巨大な歯車が宙に浮かぶかんじ。太陽が活動しているかんじ。フォークでくるくるしたパスタが途中で絡まってなかなか抜けなくなったかんじ。
…なんとでも表現できるけれど、好きです( 告白 )
骨組みだけで1時間は見惚れる自信あるけれど、乗らなくては。ぼっちで乗るためここまで来たんだから。600円のアトラクション券手に入れて( フリーパス持っている人多いから、チケット買う人あんまりいない )、10分くらい並んで乗ってみた。
では眺望紹介とまいりましょう!ゴンドラには双眼鏡はついているけれど眺望案内はなし。それでもここからの景色は特徴的なものが多いから、簡単に楽しい景色を見つけられるのです!
まずは近いところから。上の写真・オレンジ矢印はレストラン「 ラッキーズダイニング 」。ここでは日に1度ほど、スペワのキャラクターが遊びにきてくれるのです。
その時間帯はやはり大行列で、まあ1人で食べているところを見てしまったキャラクター達が驚きのあまりひっくり返っても大変ですし、私は空いてくるラストオーダー間際を狙いちょこっとグルメしてきた。
奮発して一番高いメニュー「 チキン南蛮和膳 」( 1,280円 )頼んだ!衣はカリコリしてるし、鶏肉はやわらかくてめちゃうま。宇宙飛行士として活躍した後、数か月ぶりに待ち望んだ和食。という設定で食べたら120%増しで旨かったよ。
4つ前の写真、青矢印の先では、チアガールとキャラクター達が盛り上げるビンゴゲーム、やってたよ!
宇宙で遊ぼうと思って一式持って行ったのに、肝心のボールが出てくるやつが無重力のせいで使い物にならず今回はそのリベンジ!…という設定で頑張ったけれど、ビンゴと叫べませんでした。( というかビンゴは頑張るものじゃないですもんね、運ですよ運。 )
眺望をスペワの外に向けてみよう。JRの線路の向こうにみえる赤レンガ倉庫みたいなやつ。
あれは「 官営八幡製鐵所 旧本事務所 」といって2015年に登録された世界遺産「 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業 」のうちの構成資産のひとつ!つまりは世界遺産なのだー!
1899年竣工は、横浜赤レンガ倉庫より10年以上も古い。よくここまで耐えてきたなあ。このあたりは教科書でも習う八幡製鉄所が広がっていて、スペワ自体ももとは八幡製鉄所の遊休地。他にも観覧車からは、内部公開されていてひときわ目立つ「 東田第一高炉跡 」もチェックできるのだ。
続いて遠くを眺めれば、赤いベイブリッジみたいな「 若戸大橋 」。これは晴れているとき限定でしょうか、険しい山々がシルエットで浮かぶ島「 蓋井島(ふたおいじま) 」まで確認できたらもうカンペキ。
どうです?特徴的な景色が多かったでしょ?
さらに間近に迫る山、住宅街、高速道路…とバラエティに富んだ景色は、普段、観覧車乗っても暇だよな~なあなたも楽しめること間違いなし。
景色探しを終え一息つくと、コースターの駆け降りる音がひびいてきた。絶対乗れない。ジェットコースターの落ちるあの感覚がダメでは、宇宙飛行士になれないと気付いてから、速攻で夢はあきらめましたw
2017年12月末、27年間の幕を閉じるスペースワールド。閉園後は、イオンが複合施設を計画しているとのことだが、観覧車はどうなるのでしょう。
2000年営業開始と割かし新しいスペース・アイ。観覧車は、国内外へ移設される事も多いし( 実際、スペース・アイは移設されてきたもの )、またあの骨組みを眺めたいし乗れる日は来るのだろうか。
宇宙飛行士になることも、ライトセーバー持つことも、この先無くても、宇宙ぽい観覧車があったことは、たとえ遠い昔の記憶になったとしても、絶対忘れません。長い間、お疲れさまでした!そして、いつかまた会えることを祈って…!
( 訪問日:2017年8月12日 )
( リンク )「 スペースワールド 」公式ホームページ