【37】世界遺産級!ここにある奇跡!「姫路市立動物園」(兵庫県)

子供の頃、動物園に行った記憶がほとんどない。

1つ理由がはっきりしているのは、私自身、動物というものに興味をそそられなかったんです。ライオン見ても、ふーん。キリン見ても、ふーん。超人見知りに加え、超絶動物見知りだったのだ。今まで飼ったことあるのは、小学生の頃にあるカブトムシのカブちゃんだけ。カブちゃんでさえ、親がカブトムシゼリーをあげているところを遠目に観察するにとどめる距離の取り方。あー、でも亡くなった時は大泣きしたなあ。何時間も枕を濡らしたっけ。

そんな私も大人になり、動物園の楽しみ方が分かってきたような気がしないでもないこの頃、またしても動物園に行く用事が出来た。

ぼっちサファリを初体験した後、姫路セントラルパークから、姫路駅行きのバスに乗る。「 動物園はどこで降りれば良いですかね? 」、そう尋ねたバスの運転手さんは口籠ってしまった。そりゃそうだ。動物園の最寄でこの質問。どんだけ動物が好きなんだと思った事だろう。違う。違うんだよ!目当ては観覧車なんだよぉぉぉぉーーー!!!

【37】「姫路市立動物園・観覧車」(兵庫県姫路市)

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zoo!!zoo!!

という訳で、バスを途中下車しやってきたのは、国宝・姫路城のおひざ元、姫路市立動物園でございます!やっほーい。姫路セントラルパークが、自然の風景に近づけた動物園ならば、こちらは定番の檻に入れられた動物がいるタイプ。一番の見どころはゾウの「 姫子 」さんだろう。今いるのは2代目で、姫路の姫の字が冠された姫子さんは「 当園の人気者でシンボル的存在 」( ホームページより )。人だかりが出来ておりモテモテであった。

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家の名前まであるVIP待遇

しばし園内を散策するのだけれど、もともと動物園へ行く機会が無かったためか、ぼっちでも抵抗なく歩けるんです。人間、誰かと行った記憶が強い場所ほど「 ぼっちだと寂しい 」と感じてしまうのではないか。そんな仮説を立てて遊んでいると園内2か所に分かれているミニ遊園地に辿り着いた。

そう!これが私世代( 30歳目前 )じゃあ見たことない程のレトロ遊具揃いなんですー!!

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イモムシ列車

まずはその名をイモムシ列車。なんだろう。ものすごいシンプル。中心の棒が回転することで半円状の乗り物がレールに沿って回転する仕組み。

似たような遊具は今もあるけれど、それの原型を見た気がするよ。

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モノレールにも乗れーる

イモムシの隣にあるのは、上半身はみ出るように座るモノレール。視界に入る範囲をグルッと1周するんだけれど、何故か車両の上にパラソル3つ。てっきり浜辺に置くものだと思い込んでいたが、こちらが使い方としては正しいのかもしれない(?)

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新幹線!

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きたこれ!観覧車!!

そしていよいよ本丸・観覧車の登場である!すごくないですかこれ???下調べはしていたものの、やはり間近で見るとレトロ感半端ないよー!素晴らしい。今まで巡ってきたどの観覧車ともカタチが違いすぎるのだ!!

第一、屋根がない。パラソルすらついていない。ゴンドラというか、”籠”という表現の方があっている気がする。

支柱は蒲田駅屋上や、ららん藤岡のように小ぶりな観覧車に多い1本タイプ。ただ中心からゴンドラへ向かって伸びるのは、まさしく” 骨組み ”と呼ぶにふさわしい鉄骨だ。ゴンドラを支える為の鉄骨も、美しいデザインに感じられて見ていて飽きないよ。

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塗装具合がこれまたgood!!

あと塗装にも注目手塗り感が伝わるほどムラがあって、それが逆にあたたかみを醸し出しているんですよね。これ新幹線やイモムシ列車はじめ、ここの遊具全般にいえるんだけれど、作り手の顔が見えるような、遊園地全体でほっこりさせてくれる雰囲気が伝わってくるんです。

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年季すげー!”機械式回転遊具”とかの方が合っている気もする

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ナニコレ珍百景(テレビ番組)でも紹介されたそうな

それでは乗ってみましょう!ぼっち観覧車といえど、気分は新しいモノに挑戦するよう。ドキドキ。150円で「 のりものけん 」買っていざ出陣なのじゃ!

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券売機はよくあるタイプ。印字もキレイ

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ボックスシート・4人乗り。大人4人だと結構狭いかも

鉄製の階段を登ると、係のおじさんが出迎えてくれた。「 (1回の料金で)2周回るよー 」と言われながら青いゴンドラに乗り込む。うん!文字通り解放感たっぷり。観覧車だけど観覧車じゃない。不思議な乗り物に揺られている気分だ。

ちなみに、姫路市立動物園のブログを読むと、設置は1963年3月に別の場所から移設されたそう。あと係のおじさん情報だと、こちらが2代目観覧車なのだとか。1964年の東京五輪や東海道新幹線開通前からあるなんて、途方もない浪漫を感じるぞ。

そして、眺望は良くないんでしょう?と侮ることなかれ。小っちゃくたって、姫路城が至近距離で見えるのだ!!!

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キ・セ・キのコ・ラ・ボ

国宝・世界遺産である姫路城天守。そして世界遺産級な観覧車。なんとまあ贅沢な奇跡の写真だって撮れちゃうのだ。もうお腹いっぱいである。

製造メーカーは限られるから致し方ないといえばそれまでだが、同じタイプのものが別の場所にもあったりと、観覧車の画一化が叫ばれている( 叫んでいるのは私だけかもしれない )中、ここ姫路市立動物園には、今じゃ想像できないようなカタチのモノが残っていた。

姫路城も戦災を奇跡的に免れたというが、この観覧車だって奇跡的に存在しているに違いない。レトロという単語で括ってはおこがましいほど、50年以上もの間にわたり沢山の思い出が刻み込まれている観覧車。

ずっとずっと現役で頑張ってほしい。そしてこんな場所が近所にあったら間違いなくこう親にねだったであろう。「 動物園、行きたい!! 」と。

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てっぺんから見たお城!絶景かな

(訪問日・2016年9月4日)

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