私は目を疑った。2016年8月。雲はあれど、そよ風程度。ただ暑いだけ。動かない要素なんて無いはずなのに、目の前のプレートには観覧車の横に赤い字で「 おやすみ 」と書いてある。マジかよ?!
さては機械メンテナンスかな。恐るおそる入園券売り場のお姉さんに聞いてみる。返ってきた答えは「 高温になっていて・・・ 」。なんと!初めて耳にする運休理由!!さらに話を伺うと、ゴンドラが40度超えで、よほど気温が下がらない限り今日は動かないそうな。
確かにこの日の大阪、最高気温37度。前日寄ったみさき公園の、まるでサウナ状態の観覧車は写真を撮る気力さえ失うほど。そうか。まだ多数派である冷房がついていない観覧車は、暑さで止まっちゃうこともある。観覧車巡りじゃなきゃ使わない豆知識を、また1つ、仕入れることができたのだった(汗)
【45】「ハーベストの丘・観覧車」(大阪府堺市)
今回は、大阪府堺市の「 ハーベストの丘 」へやってきたよ。運休と分かっても、そのお姿だけはひと目拝みたい。先のお姉さんより買った入園券で中に入ってみよう!
ここでは観覧車やゴーカートといった遊具系、動物たちとの触れ合い、風鈴の絵付け体験・メロンパンつくり体験といった各種体験イベント、これらが程よいバランスで揃っているのだ。
最寄駅( 泉北高速鉄道・泉ヶ丘駅 )からバス約20分と、便は少々良くないものの、大阪中心部からそう離れていない場所で自然の豊かさを感じられるところも、ポイント高いぞー。
バーベキューレストランと、バイキングレストランを横目に通り過ぎれば見えてくるのは、36メートル&16個のゴンドラが付いた観覧車だ。中央のギザギザデザイン、一瞬でもかっぱの頭に見えて人、手挙げて?
「 只今観覧車内が高温のため運休しています 」、観覧車へ通じる道にそう掲げられている。ぼっち観覧車やり始めた頃なら、乗らずに済んだ―って安堵しているんだけれどねw 次いつ来れるか分からないし記念に写真だけ撮っておこう!
ハーベストの丘は、大きく2つのエリアに分かれているんだけれど、動物たちがたくさんいるもう1つのエリアへは、130メートルある本格的な吊り橋を渡っていける。観覧車の前から出発するハーベストトレイン( 有料 )を使っても良いかも。
吊り橋渡ったら、ひつじさんをぼんやり眺めて、濃厚な自家製プリンをいただいて。それからトレビの泉でコインを投げ入れる自分自身を妄想(※ あくまで妄想です。泉を背にコインを1枚投げ入れれば再訪できるという、アレ。)してから、ハーベストの丘を後にするのでした・・・。
そして4か月後。2016年12月。
再訪できたぞ。季節・冬。天気・良好。今度はどうだ???
入口ゲートには待望の「 観覧車 営業中 」との札が掲げてある。よっしゃ!思いっきりのガッツポーズを札の前で披露した。ちなみにクリスマス当日というのは、この際棚に上げておきますね。
300円のチケットを手に、4か月越しの観覧車に乗り込む。なんだろう。いつも乗ってる4人乗り定番デザインでも気分高まるよ。かけた時間が長ければ長いほど、達成感は強く味わえるらしい。それが恋でも観覧車でも(?)
ところで外を覗くと、いつもとはおかしな違和感がある。網だ!虫がお邪魔しないよう、開く部分の窓に、網が貼ってある。ナイスアイディア。虫嫌いの私でも安心して観覧車を楽しめる優しい設計は、まるで理想のお姉さん。
では眺望紹介とまいりましょう。泉北ニュータウンがひろがる奥に大阪湾もチラ見できる。上の写真では、中央の煙突6本( 左の煙が出ているやつはちがうよ )が、大阪湾沿いにそびえる関西電力堺港発電所。右奥の山と同じくらいの高さに見える高層ビルは、55階建て大阪府咲洲庁舎だ。
反対側を見れば景色一変、森だらけ。虫よけ網完備なのもうなずける自然雄大さ。そんな森からは、ひょこひょこ鉄塔が顔をのぞかせて、モグラみたく叩きたくなる光景だよ。
やっと乗れたー!!達成感味わったら急にお腹がすいてきたぞ。
出口に向かって歩くとバーベキューレストランの看板が目に入った。90分食べ放題でバーベキュー。入っちゃおうか?入っちゃおう!人生初・ぼっちバーベキュー挑戦します!
バーベキューといえど火おこしから始めるやつじゃなくて、ガスで点くお手軽スタイル。念のため「 1人でも大丈夫ですか? 」と聞いたけれどすんなりOK。11時過ぎが幸いして、広い店内、誰もいなかったのも敷居を下げてくれた。
肉・肉・肉祭り!ぼっちクリスマスパーティーいただきます!!
お肉は弱火でも、ジュージューあっという間に焼きあがっちゃう。こういう食べ放題系って最初の30分が肝心って聞いたことあるし、写真撮ってるどころじゃないし、会話する暇もない。効率良いぼっちで良かった!
食べ進んでいると、少し後に入店した6~7人ファミリーのうち小学校低学年らしき男の子&女の子が、店の中を歩き回ってきた。バーベキューに飽きたのだろう。他にお客さんは私だけ。
気にせず肉を焼いていたのだが、ふと女の子がそばで立ち止まってこちらを見た。子供は突然何叫ぶか分からない。お願い。そのままお父さんお母さんのとこへ戻って。
「 ひとりぼっち! 」
笑顔で叫ばれた。ああああーーーー!!!!!
たまらず、こわばった笑顔でうなずいて見せる。
「 うそやん! 」
また一言叫び、家族の元へ去ってゆく女の子。マジなんだよ・・・その言葉は口に出さないかわりひたすら肉を頬張る。カルビが美味しかった。
( 訪問日:2016年8月21日 & 12月25日 )
( リンク )「 ハーベストの丘 」公式ホームページ