今日は遊園地来たよー!たーのしー!
バス降りて、おっと!目の前だあ!
ふむふむ。ワンダーランドって言うんだって!どんな驚きの国なんだろうー!入ってみよー!!
あれー?今日はおやすみなのかなー?
お客さん誰もいないし、さっきから乗りもの動いていないよー!
プールなのに草伸び放題ー!
うわー!こっちになんか倒れているー!だいじょーぶかなー???
JR芦原温泉駅から、福井県が誇る観光地・東尋坊を結ぶバスに乗り込み、途中下車。全国の観覧車を探していて知ったんだけれど、ここにですよ、すんごい珍スポットがあるんです!
「 乗りたくても、営業が停止していて乗れない観覧車 」シリーズ第2弾!今回は福井県坂井市三国にあるこちらの遊園地をご紹介だよ!
【乗れない観覧車2】「三国ワンダーランド・観覧車」(福井県坂井市)
バス降りて道路挟んで向かい側では、くまのキャラクターがにっこり笑顔で微笑んでいる。つぶらな瞳で、ぼっち客を歓迎してくれた。嬉しいね!
でも。嬉しいのはこれだけで、近づくと広大な駐車場には車が数台止まっているのみ。観覧車も動いていない。チケット売り場にも人はおらず、お客さんどころか、遊園地の人だって見当たらない。人の気配がまるで無いのだ。
すでに尋常じゃない違和感を覚えるんだけれど、まあ昼間だし大丈夫だよね。色褪せたくまさんが描かれたアーチをくぐってみる。
そこで目撃したのが、冒頭の写真たち。空中ブランコにメリーゴーランド、回転しながら上下に動く遊具に、ジェットコースター。どの遊具も小さ目でお子様向けだが、そのどれもが何年も動いていませんよっ!オーラを醸し出しているのだ。おかしい、おかしすぎるよー
何故こんな無残な姿になっちゃってるのかは、至る所にある看板で判明するよ!
たとえば「 チケット売り場 」と書かれた建物。内部は備品が散乱しているのだけれど、その扉にこれまた尋常じゃない立て看板が掲げてある。
「 建築基準法による命令の公告 」「 この建築物は、建築基準法に違反しているので是正措置および平成二十六年一月五日より使用禁止を命ずる。 」
ふええええーーーー!!!!けんちくきじゅんほうにいはん!!!!
「 ワンダーランド 」、もしくはその地名から「 三国ワンダーランド 」と呼ばれるこちらは、過去に何度も事故( スペースコースターでの転落事故など )をおこした事から、あのような看板が役所によって立てられたのだ。これに関してはコメントのしようがないのである。
デジカメぶら下げ、廃れてしまった園内の様子を撮っていると、赤いジャンバーを着たおじさんがやってきた。「 ツイッターで見たんですか? 」その元気な声、そして” ツイッター ”という単語で、どんよりした気分から引き戻してくれる。
こちらパッと見、廃墟遊園地なのだが、実はちゃんと営業中。まだ廃墟なんて言っちゃいけないのだ!
建物や遊具( 工作物 )は、建築基準法によって軒並み使用禁止命令が出ているので、営業しているのは、セグウェイと、グランドゴルフの2つのみ。どちらも建築物じゃないからね。もちろんレストランもお土産売り場も存在しない。
そのおじさん( ワンダーランドの従業員 )に、観覧車巡りをしてやってきた旨伝えると、「 前にも同じような人は来たなあ 」と。おおおーーー!!!おじさん介し同好の士発見である!!!
「 ( 観覧車 )落書きされちゃってるけどね 」と言われてしまったが、観覧車を見てみよう。
青・黄・ピンク3色が4セット付いたゴンドラは計12個。小型だけれど、周りに高い建物が無いから、乗ったら比較的遠くまで見渡せるだろう。
ど真ん中( 鉄道でいうヘッドマークみたいなやつ )では色褪せくまさんが、蝶ネクタイにピースサインという紳士だか紳士じゃないんだかどっちつかずな格好で微笑んでいる。
ゴンドラに注目すると、あれ?このカタチはじめて見るタイプじゃん!
4人乗りだろうか。屋根はあるが窓はない。窓がないから撮影にはもってこいのゴンドラだよ。カタチ自体も「 たまご型 」だが、泉陽さんのとは全く違うタイプ。
左右に生えているのが腕で、これで足が付けば完全にハンプティ・ダンプティなのだが、今気付いた。この腕だと思ってたやつ。向かって左側ナイフで、右側スプーンですよね。え!?たまごが自分で食事するの?共食い?w
観覧車はこの辺にして、さらに園内の様子を見てみよう!
おじさんによれば、ネットで「 廃墟 」と言われているのはご存知で、入口付近で草刈りしていると「 廃墟目当て 」の車は通りすぎるのだが、おじさんの姿が見えなった途端、戻ってくるそう。先日は若いグループが建物の扉開けるわ、中入ってしまうわで酷かったと。
せっかく来たのだから、セグウェイ乗ってみよう!営業中の2つのうちの1つ。退廃的な遊具とうってかわって近未来的な乗り物!これなら安心安全だろう。というかセグウェイ初挑戦で不安しかないけれど。もし転んだり無残な姿をさらしても、園内おじさんしか見てないから大丈夫だ!
15分1,500円( 確か )が安いのか高くないのかは分からないけれど、初体験だったら問題ないだろう。ヘルメットと、腕のサポーターを貸していただき、まずはおじさんがお手本を見せてくれる。
ハンドルを前に倒せば前進。後ろに戻せば停止。左右に倒せばその方向に回転。重心はセグウェイが調整してくれるよ。程度のお手本で、乗ってみる。最初は腰が引けるんだけれど、数分ぐるぐる回る内に乗りこなせるようになった!
自転車がほぼ操れない私でも、セグウェイは乗れる!私的世紀の大発見を三国ワンダーランドで見つけるとは思わなかった。
慣れてきたらコースがあるから。と言われ案内されたのは、元・ゴーカートコース。ところどころアスファルトが陥没し、裂け目からは草が伸びる自然に帰化しつつあるコースだ。
そんな場所だからてっきり、おじさんの後に続いて講習受けながら乗るものだと思っていた。芝刈りに行ってしまった。エンジンの音だけが園内に響く。放任だ。
おじさんはグランドゴルフ場でしばかりに、私は元ゴーカートコースでセグウェイに。桃太郎もワンダーなお話の誕生である(?)
(訪問日:2016年10月21日)
(リンク)「三国ワンダーランド」公式ホームページ
※ リンク先のホームページでは、賑わってる頃の園内が垣間見られるよ!
※ 建物内は立ち入り禁止です。絶対に中に入らないようお願いいたします。あと場所柄、もし営業していなかったら、ごめんなさい。