こんにちは!
いきなりですが皆さん「 風景印 」をご存知でしょうか?
これは郵便局で押される消印の1つで、窓口でお願いすることで通常とは異なる特別デザインの消印を押してもらえるのです。
たとえばここ、東京駅前にある東京中央郵便局( 写真右 )。
無地の郵便はがきを用意して、窓口で「 風景印くださいな! 」とお願いすると・・・
こんな感じで押してもらえる。
局名と日付のほかに、近所の名所旧跡等がデザインされていて、ここ東京中央郵便局では東京駅丸の内駅舎と、郵便局が入居するJPタワーが採用されています。
今回は無地のはがきに押してもらい、そのまま返却してもらったけれども、届けたい相手の住所・氏名を書いて郵送することも可能。
旅先から出す絵葉書はもとより、結婚式の招待状など特別感を演出するのにも使える。そして基本的に郵便局毎でデザインが異なるから収集目当てでも楽しい。いろんな用途が風景印にはあるのです。
この風景印、全国すべての郵便局にある訳ではないのですが、おおよそ半数・11,000局以上で用意されているそう。これなら!これだけあれば!私の!大大大!好き!な!観覧車がデザインされている風景印だってあるんじゃないの???
ということで。ぼっちで観覧車100ヶ所乗り続けた結果、観覧車のトリコになった私が、そんな風景印を5つ集めてみました…!
もくじ
<1> 白子郵便局(三重県鈴鹿市)
1つ目は、近鉄名古屋線・白子駅から徒歩10分ちょっと。白子郵便局( しろこゆうびんきょく )です。
正月2日だったからでしょうか。郵便局には年賀状を買う方や出す方がたくさんいらして、駐車場の入出庫もひっきりなし。そんな年賀状祭りという状況の中、ふつうの郵便はがきを差し出して「 風景印お願いします! 」と言ってみました。
この時期に消印押すこと自体珍しいのか、局員さんすんごい奥の方まで探させてしまって申し訳なかったですが、さっそく1つ目入手です。
わー!紛うことなき観覧車ゲット~~~!
片隅にちょこんと描かれる観覧車は、小さいながら存在感を放ちまくっています。統計取った訳ではないけれど、遊園地の敷地で観覧車は隅っこに建てられるケースが多い。だから園内MAPを見ているようでもありますね。
ところで先ほど、近所の名所旧跡等がデザインされていると書きましたが、これのモデルがあるはず。ヒントは観覧車の右側、ごっついメカぽいやつに注目です。
あ!これレーシングカーじゃない?ここ鈴鹿だもん。
とすると中央にあるイビツな8の字、これ、鈴鹿サーキットのコースでしょ。
偶然にも白子郵便局の真ん前から、鈴鹿サーキット行きのバスが出ていたので確認しに向かってみることに。
あったあった。
鈴鹿サーキットにはモートピアという割と大きな遊園地がくっついていて、モデルの観覧車はレーシングコース脇にそびえるこちらで間違いないですね。
観覧車は英語にすると発明者の名前から「 Ferris wheel 」。wheelは車輪ですから、サーキット場と親和性が高いのかもしれません。
では、風景印とモデルを見比べてみましょう。
中央に掲げられるコカ・コーラの看板がトレードマークの観覧車ですが、イラストはそのあたり曖昧にし、ゴンドラの数も少なく、簡略化された観覧車になっています。
ちなみに鈴鹿といえばの「F1日本グランプリ」が開催される時は、スポンサーの関係か、コカ・コーラの看板に幕が張られます。だからまあきっとF1時の観覧車をイメージしたのでしょうね。
再現度:★★★☆☆
よっし!1つ目獲得。
いやはや、ぼっち観覧車より楽勝ですよ。とりあえず遠くても行けばいいんだし。集めるのは1人でも恥ずかしくない。この要領で残り4か所集めてみます。
( 住所 )三重県鈴鹿市白子町2796ー1
( リンク )「 白子郵便局 日本郵政グループホームページ 」
<2> 伊勢崎郵便局(群馬県伊勢崎市)
お次は伊勢崎駅から南へ歩いて15分ほど。伊勢崎郵便局( いせさきゆうびんきょく )です。
伊勢崎駅から北へ向かえば、60メートル超えの観覧車にたった280円で乗れる華蔵寺公園遊園地があるから、風景印もここのがデザインされていると予想します。当たっているかな?
局内に入ると列が伸びていました。日曜だからか窓口が少なく待ってしまったけれど「 風景印お願いします! 」と申告すると今度はすぐ登場。パカっと開くタイプのケースで登場です。
局員さんに「 右下で良いですか? 」とか聞かれて、え!?どこでもいいの?と慌ててしまったのですが、料金の部分に風景印がかかっていれば真下とかでもOKだそう。
では予想が当たっているか、確認のお時間です。
こちらが風景印で、、、
こちらが華蔵寺公園遊園地の観覧車。
ずばり大正解!!
というかこれ、めちゃくちゃ瓜二つじゃんね。
1つ目はどちらかといえば鈴鹿サーキット中心で、観覧車あるしせっかくだから余白に観覧車でも入れておくか。みたいな立ち位置だったのに、伊勢崎郵便局のは観覧車がメイン。観覧車が主役。なんか左側に草花生えていれけれど、それさえ見事に引き立て役にしちゃってる。
大きなスペースをあてがわれたことで表現の幅が広がったのか、ゴンドラも端折らず36台あるっぽい。え、本当かどうか数えたい? では各自数えてみてください。拡大してみますから。
どん!
いかがでしたか?
不鮮明とか欠けている部分はあるにせよ、ちゃんと36台あるっぽいですね。
地面から伸びる支柱も、全体的な骨組みの感じも、本物そっくり。ここまで再現してくれたイラストレーターさんには頭が下がります。
再現度:★★★★★
さて順調に2つ目もゲットできました。風景印を収集する方多いと聞くし、こうやって行く先々で集めるの楽しいねえ。これ趣味にしようかな。
( 住所 )群馬県伊勢崎市曲輪町36-2
( リンク )「 伊勢崎郵便局 日本郵政グループホームページ 」
<3> 渋川金井郵便局(群馬県渋川市)
3か所目は、同じく群馬県の渋川金井郵便局( しぶかわかないゆうびんきょく )。
最寄駅は渋川駅。徒歩30分かかるとスマホの地図は言っていますが、向かってみます。
夜も8時を過ぎ、駅前を抜けると、ひっそりした住宅街に入ってまいりました。この辺りの移動は車中心なのでしょうね。ヘッドライトとは幾度となくすれ違うのに、歩行者がいません。時折あらわれるコンビニの灯りだけが見知らぬ街で心細い私を励ましてくれます。
いよいよ車の通行さえ無くなって、闇の静けさがあたりを満たしてきた頃、目的の郵便局が見えてまいりました。
ん?
これって…
もしや?
もしやもしやもしやもしやもしや???
開いてないやつ…だ!
うそーーーーーーー!!!!!!!!
めっちゃ開いてない!!!
くぅぅ惜しい!とかいうレベルじゃなくて、そもそも土日やってない。今日、日曜日。
どうも白子と伊勢崎は、周辺の郵便局の親玉みたいな立ち位置で営業していたみたいです。その2つでさえ通常の郵便窓口はお休みで、風景印押してもらったところは「 ゆうゆう窓口 」という時間外窓口だったよう。
だから三が日でもやっていたのか。
うーむ。どうしましょう。2つしか収集できていません。5つと銘打って2つはまずい。平日は会社員だから行けそうにないし困りました。本気で困った。
困り果てネットを検索すると、割と1ページ目とかで解決法が見つかります。
この風景印「 郵頼 」という方法で取得できるようです。” ゆうらい ”と読むのですが、読んで字のごとく郵便で依頼することができるのだとか。
こんな感じで返信用封筒入れてお願いすると・・・
きたーーーーっ!
自宅に居ながら収集できる風景印はちょっと物足りない気持ちもあるけれど、今回は観覧車柄を集める目的があるので良しとします。
ちなみにこの郵頼、風景印を少しでもかじったことある人にとっては極めて一般的な方法で、例えば離島とか遠方のものを集めたり、一般人は絶対入れない宮内庁内郵便局のを押してもらったりできる。
手軽に非日常気分を味わえるなんて、観覧車に通じるものがありますね。やっぱりハマる予感しかありません。
では本題に戻りまして、返ってきた渋川金井郵便局の風景印をみてみましょう。
観覧車とメリーゴーランド。その上の波線は赤城山。市の花・アジサイに、カカシ(?)があしらわれた詰め込み感満載のにぎやかデザインです。
こちらのモデルは・・・
渋川スカイランドパークの観覧車でした。
標高460メートルという高所に建っていることもあって、遠くに望む群馬県庁舎の高層ビルは遥か下に。関東平野の空を飛ぶ錯覚になれる眺望抜群の観覧車です。
1つ目の白子同様、抽象化したデザインは再現度という観点からみると劣るけれど、遊園地をあらわすアイコンとしてメリーゴーランドとともに観覧車が採用されたことは、素直に喜ぶべきでしょう。
あと、山が迫っている感じはよく表現できているなと思います。
再現度:★★★☆☆
ちなみに、カカシみたいなやつはカカシじゃなくて、渋川へそ祭りという、へそ( 腹 )に絵を描き踊り狂う「 人間の姿 」でした。
下記リンク先で、今まさに踊り狂っている姿が確認できるのですが、、、
( リンク )「 第36回渋川へそ祭りの参加者を募集します 」渋川市ホームページ
これ、完全に観覧車食われているわ。
( 住所 )群馬県渋川市金井1244-1
( リンク )「 渋川金井郵便局 日本郵政グループホームページ 」
<4> 横浜桜木郵便局(神奈川県横浜市)
なななんと、私が育った横浜からも観覧車デザインの風景印を発見です!
桜木町駅から徒歩数分。横浜桜木郵便局( よこはまさくらぎゆうびんきょく )にありました。
ここも平日のみの営業なので、郵頼で依頼しました。
ところで訪問する必要なくなったのに郵便局の写真を撮りたくなるのは、消印といえども観覧車を扱ってくれることに対する敬意みたいなもんですよ。
じゃじゃん!!
風景印のデザインは誰しもご存知・みなとみらい21。観覧車はもちろんヨコハマの時計台・コスモクロック21でした。
港町らしくカモメらしき海鳥も飛んじゃって、建造物が中心なのに、どこかから汽笛の音が聞こえてきそうな躍動感も併せ持っています。
イラストと似たアングルを求め、大さん橋から撮影してみました。
ヨコハマには多種多彩な名所旧跡があるけれど、代表的というか、多くの方が思い浮かべるのがこの景色ですよね。ランドマークタワーを頂点に、数々の建造物が織りなすスカイラインは空に映えます。
比較してみると、コスモクロックのシンボル「 中央のデジタル時計 」がイラストでは省略されていて、ゴンドラも60台ないのは残念。ただ単体で見るから粗探しなってしまう訳で、全体をみれば十分すぎるほど再現度が高い。
ハマっ子の私でも届いたときは大興奮。愛着ある私の街を、消印にしてくれてありがとう。全横浜市民がもらっておきたい風景印です。
再現度:★★★☆☆
( 住所 )神奈川県横浜市中区桜木町1-1
( リンク )「 横浜桜木郵便局 日本郵政グループホームページ 」
<5> 多気郵便局(三重県多気町)
ラストはJR紀勢本線の無人駅・相可(おうか)駅にやってきました。
これがなかなか行きにくい駅でして。
電車の本数がご覧の少なさで、私なんか時間が合わず隣の多気駅( 止まる本数多い )から1駅3キロ歩いたくらいです。
そんな観覧車なんてあんのか?と疑いなくなるような駅ですが、まずは風景印が設置してある郵便局から確認してみましょう。
駅から徒歩2~3分の多気郵便局( たきゆうびんきょく )です。郵頼でゲットした風景印は・・・
お!かわいい。
ゾウさんがいるから、大きな公園、あるいは動物園でもあるのでしょうか。ピクニックでもしたくなるのどかな雰囲気がイラストからにじみ出ています。
さて、モデルの観覧車を探さなければいけませんが、ここで重大な問題が発生しました。
手元の観覧車一覧が書かれた資料には、この辺りに観覧車はないのです。
マジかよ。そもそも三重県内に観覧車は2か所で、先に登場した鈴鹿サーキット・モートピアと、もう1か所はナガシマスパーランド。ちょっとあまりにも離れすぎている。
ここで1つの考えが生まれました。今は無い観覧車なのではないか?
詳しく調べると「 五桂池ふるさと村 」という1つの施設名が浮かび上がってきました。やはり昔、観覧車があったようです。
バスは無いので5キロの道をひたすら歩きます。
あった!看板だけではなく現役で営業しているみたい。それではと早速観覧車の痕跡を探してみます。
こちらの園内MAP。不自然過ぎるほど白く塗りつぶされている箇所を発見しました。絶対怪しい。怪しい以外の言葉が浮かんできません。よくよく目を凝らしてみると・・・
ゴンドラだーーー!!!
やっぱりここだ。ここで間違いない。
早速塗りつぶされたエリアのある動物ふれあい広場へ入ってみます。ゾウさんはいないけれど、ひつじや馬など小さめの動物にエサやり体験ができる、ハートフルなミニ動物園という感じです。
さて、モデルの観覧車と比較するにあたって当時の写真が必要ですが、私が観覧車ファンになった頃はすでに営業終了していたため情報を持っていません。
そこで観覧車ファンの大先輩であるfwgpさんのサイトから、ご許可をいただいた上で拝借しました。
これはfwgpさんが営業終了日( 2010年10月31日 )に訪問された際の写真。楕円型という今では珍しいタイプのゴンドラがついた全長20メートルの観覧車です。
せっかく来たのだし、設置してあった場所を探してみましょう。ただ探しても探してもイマイチ確証が得られません。
この辺りのはずなんですがねぇ。
ちょうどコイン式遊具のメンテナンスをされていた係のおじさんに聞いてみました。
「 むかし観覧車があったと思うのですが、どのあたりでしょうか? 」
10年くらい前だよーとか言いながら「 この丘のあたりね。 」と指さしてくれます。
やっぱりだ!指さした先はちょうど上の写真の丘。
fwgpさんの他の写真をチェックすると、この乗り場への階段って、、、
ここじゃんね!
地面との接点だったコンクリート部分は埋め戻されて痕跡は全くなかったけれど、木製の杭や、後方の木々はそのままみたい。木なんて10年前より育っている気がする。
わー、すっきりした。気分が晴れやかになったところで風景印と見比べてみます。
廃止当時すでに珍しかったという片側のみで支えるタイプの観覧車は、イラストでは「 ごくごく一般的にイメージされる観覧車 」に簡略化されています。
特徴の楕円形ゴンドラは、楕円に見えるっちゃ見えるけれど、どちらかといえば印面が潰れて楕円になった感じ。骨組みの雰囲気もちがう。
とか言いたい放題書いたけれど、今無き観覧車がたとえ消印であっても残っているのは感慨深いものですよ。
再現度:★☆☆☆☆
ちなみに先ほどのおじさんへ「 もう観覧車は作らないんですか? 」と聞いてみました。
「 もう無理ですね。 」だそうです。
( 住所 )三重県多気郡多気町相可1066-11
( リンク )「 多気郵便局 日本郵政グループホームページ 」
( リンク )「 五桂池ふるさと村 」公式ホームページ
終わりに
いやはや、どこも趣向を凝らしたデザインで集めるだけで楽しい!
再現度の1番は断トツ伊勢崎郵便局のものですが、集めてみて嬉しかった1番は横浜桜木郵便局ですね。地元大好き加算ということでお許しくださいませ。
観覧車ファンかつ郵便ファンの知人によれば、風景印を全国カンペキに網羅した資料は無いとのことでこれ以外にもあるかもしれません。
そして今回風景印を収集するだけのはずが、もう存在しない観覧車とも出会うことができました。
一度採用された風景印は廃止されるまで使い続けるのですが、例えば千葉市・若葉郵便局は、モデルの千葉市動物公園の観覧車が営業終了したことで風景印そのものが廃止となったケースもあります。
収集すること自体「 もう無理ですね。 」となる前に、集められて良かったわー!
愛知県の碧南北新川郵便局の風景印もぜひぜひ。